金属工芸のあれこれ(2)〜鋳金〜
- gen tanigawa
- 2020年12月19日
- 読了時間: 2分
更新日:2021年1月24日
今回は、金属工芸の種類について、少し触れていきたいと思います。
金属工芸の種類は、大きく分けて「鋳金」「彫金」「鍛金」の3つがあります。
まず1つ目は「鋳金(ちゅうきん)」です。
鋳物(いもの)と言われるので、聞いたことがあるかと思います。
作り方としては、砂や粘土、蝋で作るものの原型(像だったり、物だったり)を作ります。
次に、砂で原型を包み込んで外型を作り、内側の原型を取り除きます。
(土の原型なら、外型を分割して、原型を崩します。蝋の原型なら火で炙って融かします)
そのようにすると、型の内側には原型と同じ形の空洞が出来上がります。
その空洞に融かした金属を流し込み、冷却後に外型を外すと、原型と同じものが出来上がります。このときは、主に銅の合金である青銅が使われます。いわゆるブロンズです。
鋳造は、型の作り方によっては、何回か使うことができるので、同じものをいくつも作ることができます。
有名な作品としては、オーギュスト・ロダンの「考える人」があります。
銅像と呼ばれる作品は、この鋳造で作られていることが多いです。また、奈良県の東大寺の大仏様も鋳造で作られています。
大晦日の夜に響く除夜の鐘、このときに撞かれるお寺の鐘(梵鐘)も鋳造です。
今回の話の中では、美術作品と仏像を例にしましたが、鋳造はとても身近なものにも使われていたりするので、探してみるのも面白いかも知れません(^^)

国立西洋美術館の前庭:「考える人」2017年撮影
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