
金属工芸の着色技法
金属工芸の「着色技法」を紹介していきます。
一言で「着色技法」と言っても、その技法は様々で、着色する金属の種類によって、技法が異なります。
このページでは、金属別の技法を簡単に紹介します。
また、私は基本的に銅と真鍮で作品を作っているので、銅と銅合金の着色技法を少し詳しく紹介します。
【銅・銅合金】
・煮色着色
銅や銅合金の着色に用いる技法。
「硫酸銅」「緑青」「水」を溶かして、沸騰させて作った「煮色液」を使用します。
煮色着色は、銅や銅合金以外の金属が混ざっていると上手くいかないので、使用する鍋は「銅製」または「ホーロー製」が使われた
りします。かき混ぜたり、作品をのせる網も「銅製」や「木製」だったりします。
また、この技法の特徴としては「大根おろしの汁」を使うことが挙げられます。
大根おろしの汁で作品を磨くことで、作品を煮込んだときに色ムラなくきれいに着色できると言われています。
なぜ、大根おろしの汁を使用するのか?という理由は、まだよくわかっていないそうです。。。たぶん脱脂効果があるのかな(゜-゜)
着色方法としては、脱脂した作品を煮色液に漬け、じっくり煮込みます。(30分〜1時間、長いときは2時間くらいのときも)
銅製の作品の場合は、赤みの強い発色を得ることができます。
【銅・銅合金】
・硫化着色
銅や銅合金、銀の着色に用いる技法。
硫化物の水溶液に、作品を漬けることで黒く着色します。簡単に言うと、「硫黄温泉」を作って漬けます。
(※銀製品を身に着けて、うっかり温泉に入ったら、黒くなっちゃった!と同じ状況を人工的に再現するわけです。)
まずは、着色するときの基本、脱脂をします。油分が残っていると、水を弾くので、色ムラになります。
次に、ぬるま湯に硫黄温泉の素を溶かし、よくかき混ぜておきます。濃度が濃いと、すぐに色が付き調整しにくいので、私の場合は
少し薄めで溶液を作ります。
作品を溶液に漬け、少し揺らしながら待ちます。色が付き始めたら、一度引き上げて重曹で優しく磨き、色ムラをぼかします。
あとは、好みの色になるまで繰り返します。
【銀】〜工事中〜
【鉄】〜工事中〜